ス ズ キ 1 0 ホ ー ル ズ
この度はスズキ10ホールズ 「SUB30」 をお買い上げいただきまして誠にありがとうございます。 本製品を安全に末永くお使いいただくため、 この取扱説明
書をよくお読みください。 お読みになった取扱説明書はなくさないように大切に保管してください。
注意
安全に末永く ご使用いただ く ため以下の指示を必ずお守り く だ さい。
演奏の前に
手を洗い、口をきれいにすすぎましょう。また1音ずつゆっくり鳴らしてみて、音程が
おかしくないか確認しましょう。通常より音程が大きく下がっている音があれば、リー
ドが折れている可能性があります。その場合、使用しないでください。
異物を入れないで
吹口やすき間に異物を入れないでください。故障・破損の原因になります。
カバーを強く 押さ ないで
カバーを強く押したり、かんだりしないでください。変形・破損の原因になります。ま
た、変形してできたすき間に唇や舌などが入ると思わぬケガをする恐れがあります。
ハーモニカを投げたり落と したり しないで く だ さい
ハーモニカが破損するだけでなくケガの恐れがあり危険です。
熱く なる と こ ろはさけて
車の中やストーブのすぐ近く、日ざしの強いところにおかないでください。変形・破損
の原因になります。
通常のお手入れについて
演奏後は穴を下に向けて軽く振り、たまった水を抜きましょう。やわらかい布でから
拭きするか、ハーモニカ除菌クリーナー(HAC-01)や消毒用エタノールを含ませた
布できれいにしましょう。本紙に記載の無い薬品や溶剤などを使ってのお手入れ
は、製品を傷めますので絶対に使用しないでください。お手入れ後はケースにしまっ
て保管してください。
リ ー ドに関する注意事項
リ ー ドは折れる こ とがあり ます
ハーモニカは内部で「リード」と呼ばれる小さな金属の板が振動し、音が鳴る仕組み
です。リードは使用頻度や吹く息の強さによって金属疲労で音が下がったり、亀裂
が入ったり、また折れたりすることがあります。これはリードを使用した楽器全般に
起こり得る現象です。
上を向いて演奏しないで く だ さい
ハーモニカは上を向いて演奏しないでください。万一リードが折れた場合に、リード
片が口に入ったり、吸い込んでしまう恐れがあります。もし吸い込んでしまった場合
は、お近くの医療機関にご相談ください。
リ ー ドが折れる前兆と して
リードが折れる場合、前兆として音程が大きく下がります。その場合、ただちに演奏
を中止してください。そのまま演奏を続けると、リード片が口に入ったり、吸い込んで
しまう恐れがあります。
リ ー ドは消耗品のため定期的な メ ンテナンスが必要です
弦楽器の弦が消耗によって切れることがあるように、リードも消耗によって音程が
狂ったり、折れたりします。演奏の仕方や使用頻度によってリードの消耗状態は異
なりますが、長く安全にお使いいただくため、定期的に弊社にメンテナンスをご依頼
いただくことをお勧めいたします。
演 奏・ベ ン ド 奏 法 に つ い て
10ホールズを大きな口でガバっとくわえて、適当に吹き吸いしてみましょう。それだけ
でなんとなく音楽になっているように聞こえませんか?それはこの配列のおかげなの
です。和音を出すことができるかわりに第1オクターブ目には「ファ」と「ラ」がありませ
ん。しかし「ベンド奏法」と呼ばれる10ホールズ独特の奏法を使うと「ファ」も「ラ」も出
すことができます。ベンド奏法とは口の中で舌やのどを動かして音を下げる奏法で
す。この奏法を習得することで、元々10ホールズには無い音が出せたりブルージー
な表現ができるようになります。そして、SUB30は従来の10ホールズでは、吹き吸い
とベンド奏法だけでは足りなかった音階も、特殊な奏法を用いる必要なく、ベンド奏
法で発音することができます(下表 列)。
音 配 列 に つ い て
SUB3 0で 吹 ・ 吸 ・ ベ ン ド 奏 法 で 演奏 可能 な 音 階一覧
吹
吸
ベン ド 吹
ベ ン ド 吸
1
2
3
B
D#
F#
S U B 3 0 は 一 般 的 な 1 0
C
E
G
ホールズでは発音する
C#
F
G#
ことができなかった、こ
D
F#
A
の列の音階がベンド奏
法によって発音するこ
G
A#
とができます。
B
【 C 調】
4
5
6
7
8
9
B
D#
F#
A#
C#
E
C
E
G
B
D
F
C#
F
G#
C
D#
F#
D
A
E
G
〒430-0852 浜松市中区領家 2-25-12 TEL.053-461-2325 FAX.053-463-5858
S U B 3 0
取 扱 説 明 書
リ ー ド に つ い て
それぞれのリードの機能
S U B 3 0 に は 通 常 吹 リ ー ド 1 0 弁 、 吸 リ ー ド 1 0 弁 、 ベ ン ド 用 リ ー ド 1 0 弁 が 備 わ っ て い
ま す 。 下 記 表 にお いて 、
吹 リ ー ド
吸 リ ー ド
穴 番 号
リ ー ド 番 号 ( 上 の 手 )
リ ー ド 番 号 ( 下 の 手 )
リ ー ド プ レ ー ト 組 立 ( 上 の 手 )
1
3
2
1
2
穴 番 号
リ ー ド プ レ ー ト 組 立 ( 下 の 手 )
1
2
リードセッティングについて
SUB30は工場出荷時に各リードが正確に機能するようセッティングされています。
しかし、使用していくうちに、各リードのセッティングのバランスが崩れ、正確に機能
し な く な る こ と が あ り ま す 。 そ う い っ た 場 合 に は 再 度 セ ッ テ ィ ン グ す る 必 要 が あ り ま
す。下に「よくあるトラブルとその対処方法」を載せたので参考にして下さい。※ベン
ド音を正確に出すには吹き方も重要です。
よ く あ る ト ラ ブ ル と そ の 対 処 方 法
▼ ベ ンド 用 リ ー ドの 調 整
①和 音 が 鳴 る
ベンド用リードのアゲミを調整します。
ア ゲミ が 低い 場合 に 起こ り ま す。 この場 合ア ゲ ミ を高く し ま す。
【例】穴番5で吸音を鳴らしたときに、和音になる。(ベンド用リードが共鳴している。)
ベンド用リードのアゲミを高く調整。
ベン ド用リ ー ド
の調整イメージ
アゲミを 低く する
Point
アゲミを 高く する
OK
②ベンド音が出しにくい
※ベン ド 用リ ード を使 用 したベン ドの 場 合
ア ゲ ミ が高 い 場合に 起 こ りま す 。 この場合 ア ゲミ を 低く し ま す。
①、 ②は 相互に 関 連付け られ てい るの で、 実際 に 演奏し な がら
丁度良い セ ッ ティン グ を 探 し ま し ょ う。
和音 が鳴る 、 ベ ンド音 は出し や すい 。
ア ゲ ミ が低 い
ア ゲ ミ が高 い
和 音が出な い 、 ベ ンド音 は出しに くい 。
▼ バ ル ブ の 調 整
③バルブノイズ発生
発音時に低い音域のノイズが混ざる場合は、バルブノイズの可能性が考えられます。
1 0
【例】穴番3で吸音を鳴らしたときに、ノイズが発生する。
バルブを先が上がる様に反らすと改善される場合があります。
G#
※ ノ イ ズ 発 生 原 因 が ア タ リ の 場 合 も あ り ま す 。
A
※ バ ル ブ に 完 全 が 折 れ 曲 が っ て い る 場 合 に は 改 善 さ れ な い こ と が あ り ま す 。
④バルブの貼り付きについて
A#
冬 季 な ど 寒 い 時 に ハ ー モ ニ カ を 吹 い た 場 合 、 息 の 水 分 で プ レ ー ト と バ ル ブ の 間 に 水
B
が た ま り 、 バ ル ブ が プ レ ー ト に 貼 り 付 く こ と が あ り ま す 。 バ ル ブ を 使 用 し て い る ハ ー モ
C
ニ カ は 全 て こ の よ う な 現 象 が 起 き ま す が 、 故 障 で は あ り ま せ ん 。 バ ル ブ が 貼 り 付 か な
いよう、 冬 季は体 など でハー モ ニカ を温めてか ら使用す ると 良 い でし ょう。
ベ ンド 用 リ ー ド を 表 して いま す 。
1
2
3
4
5
6
1
3
5
7
9
11
2
4
6
8
10
12
1
2
3
4
5
6
5
7
9
11
13
15
4
6
8
10
12
14
16
3
4
5
6
7
8
バ ル ブ:1 〜 6 内 側 7 〜 1 0 外 側
3
4
5
6
7
8
※左表 列以外のリ ー ドの調整 は一般的な 10ホ ールズ の 調 整 と同 様 。
ベンド用リードは通常のリードとはアゲミが異なり、
プレート側に落ち込んでいる状態が正常となります。
プレート
※注:通 常 のリ ー ド調 整 の場 合 、ア ゲ ミの 高低 が
逆 に なり ま す。
NG
ベンド用リードのアゲミを調整します。
7
8
9
10
13
15
17
19
14
16
18
20
7
8
9
10
17
19
18
20
9
10
9
10
※
プレートの厚み
の範囲内で調整
してください。