パイプ/ストリングの特性を決定するさまざまな要素 - Yamaha VL1-m Owner's Manual

Yamaha virtual acoustic tone generator owner's manual
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パイプ/ストリングの特性を決定するさまざまな要素
パイプ/ストリングの生み出す音は、 次のようなさまざまな要因で変化します。 逆に
いえば、 これらのコントローラーデスティネーション (コントローラーでコントロー
ルされるもの) を制御することで、 楽器らしい演奏が可能になるということです。
■ピッチ
弾いた鍵盤によって、 前ページの図の管または弦の長さが変更され、 音程がコント
ロールされます。
■ビブラート
ドライバーのところでも説明したように、 LFO (周期的なゆれを作り出す装置) を
使って、 アンブシュアとピッチ (管または弦の長さ) を変化させ、 周期的な音色、 音程
のゆれを作り出す機能のことです。
アンブシュア、 ピッチをどれだけ変化させるかは、 それぞれ自由に設定できますの
で、 弦楽器のビブラートのようにピッチ中心のビブラートも、 管楽器のように音色変
化を伴うビブラートも再現できます。
また、 ゆれのスピードや、 はじまりかたなども細かく設定することができます。
■ダンピング
流入した空気が管の内側との摩擦で損失するエネルギーの大きさ、 または弦の振動が
空気の抵抗で損失するエネルギーの大きさの設定です。
持続系のボイスでは、 音色が弱々しくなります。 減衰系のボイスでは、 減衰時間が短
くなります。
ほとんどのボイスでは、 ダンピングを最大に設定したとき、 その楽器本来の音が出る
ようにセッティングしてあります。
■アブソープション
管または弦が発音しているとき、 その音は空気中に拡散することにより、 高い周波数
のエネルギーから損失していきます。 また、 弦楽器では、 弦を押さえている柔らかい
指によって高い周波数のエネルギーを損失します。 管楽器では、 ベルの開口面積によ
り高い周波数のエネルギーを制御できます。
アブソープションは、 このような高周波数域のエネルギー損失の設定です。
エネルギーの損失が大きいと、 ピッチが下がります。
うまく使うと、 弦楽器でいうミュートのような効果を作ることができます。
ほとんどのボイスでは、 アブソープションを最大に設定したとき、 損失のない状態に
なるようにセッティングしてあります。
パイプ/ストリング
第4章 VL1-mを知る − パート2  69

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